タイトルは「若者はなぜ3年で辞めるのか?」というタイトルであるが、本書の指摘は「年功序列」型の仕組みが若者に閉塞感を生んでいるとしている。今更「年功序列」?日本は成果主義を取り入れている企業がほとんどではないの?と思うかもしれない。事実、自分もテレビ新聞で取り上げられている欧米型の成果主義が混乱を招いていると思っていた。しかし、これを読んでみて、年功序列のシステムが根強いところで残っていることがわかった。
つまり、日本が導入した成果主義というのは欧米のそれとは違い、年功序列のレールの上にのった成果主義であると言う。「年功序列のシステムにちょっと付け足して、成果主義を取り入れました。」というものであると。したがって、成果主義で成果を上げても基本的な年功に沿ってキャリアはレール上に形成されてしまう。
日本の導入した成果主義は当初、人件費抑制とポストの抑制のものだったと言っていいだろう。それと年功序列をミックスせたら、「年功により給与が上げるかもしれないが、成果主義によっては給与はそのままか下がる可能性もある。」ということだ。ましてや、ポストにつけなればクリエイティブな仕事にもつけないだろう。「給与が上がる保証はなく、クリエイティブな仕事ができる保証もなく。」それが閉塞感を生んでいるという。
私も10数年前に新入社員として製造業のラインに配置された。もともと設計希望だったが、現場を体験するのは必要なことだとラインに配置された。ラインの仕事は嫌ではなかったが、自分のキャリアが本当に設計にいけるのか不安になった。すでに入社1年目にしてキャリアが見えなかった。そこは1年で辞めてしまった。この本のタイトルよりも2年短かった。
自分が就職活動をしたときは、ちょうど氷河期が始まる一歩手前だった。前の年には教授推薦で就職企業も自分たちのときにはまるで求人がなかった。自分は勝手に就職活動をしていたが、まったくもって手ごたえがなかった。結局、あまり知名度がない二部上場(当時)に会社に入ったが、上記のとおりその会社では大卒のキャリアの形成なんて考えてなかった。それまで高卒しか採用したことがなかったからだ。つまり、設計部にいきたいというキャリアは、現場で4,5年は揉まれたたたき上げでないと入れないということだったのだ。
若者は忍耐力が足りないと言えばそうなのかもしれない。しかし、レールに乗ったキャリアしか見えず、それが自分の希望としないものであったということがわかってしまったら、どうだろう。若者でなくても糸が切れてしまうのではないか。
どうせやるなら楽しく仕事をしたい。ここ最近そう思っている。楽しくというと、楽をしてというイメージが強いがそうではないと思う。精神的や肉体的に体を壊しても仕事は続かない。楽しいことなら続けていける。怠け者にみえるかもしれないが、それで食べていけることが幸せだと感じる。
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