「事業で失敗しても返さなくていいお金」があったら、あなたならどうしますか?
シリコンバレーのベンチャー精神を伝えてくれる本が梅田望夫さんの「シリコンバレー精神」である。
ここシリコンバレーでは、次々に新しいベンチャー企業が生まれ、新技術、新事業が世に問われる。そんな中から一握りの成功企業が出るわけだが、そのかげにたくさんの残敗企業が生まれるのも事実だ。それでもシリコンバレーが底抜けに明るいのは、「失敗しても返さなくてもいいお金」、つまりベンチャー・キャピタルからの資金で、産業全体が回っているためである。>
「失敗しても返さなくていいお金」ならば、だれもがベンチャーにチャレンジしたいだろう。これが本当の再チャレンジなのかもしれない。日本で、「再チャレンジ」をするのはリスクが大きすぎる。そのリスクを取り除く政策はないのだろうか。しかし、「失敗しても返さなくていいお金」というだけで楽観はできない。そのお金を得ることができたら、そのからはジェットコースターのような時間が待っている。
ベンチャー企業の創業者たちは、自分たちの給料、雇った社員の給料、開発費、オフィス経費などを支払いながら、手元の資金が尽きるまでの間に、アイディアを「大きな価値を現実に生み出す製品やサービス」に創り変え、それを世に問うというゲームを始めるのである。その途上で資金が尽きれば、同じ出資者からの増資を受けたり、その時点までの進捗成果に賭ける新しい資金を調達して、また走り続ける。成功して株式を公開すれば、何千ドル、何億という価値の株式をベンチャー・キャピタル、創業者共々保有することになる。これがシリコンバレー・ドリームである。
梅田望夫さんは、あとがきでシリコンバレー精神について以下のように書いている。
「シリコンバレー精神」とは、人種や移民に対する底抜けのオープン性、競争社会の実力主義、アンチ・エスタブリッシュメント的気分、開拓者精神、技術への信頼に根ざしたオプティミズム(楽天主義)、果敢な行動主義といった諸要素が交じり合った空気の中で、未来に創造するために執拗に何かをし続ける「狂気にも近い営み」を、面白がり楽しむ心の在り様のことである。
日本は行政機関とIT産業自体がすべて東京に集中している。そして、IT産業と産学官連携も少ない。シリコンバレーにはスタンフォード大学があり、IT産業と大学は双方なくてはならない環境にある。教授が学生を連れてベンチャーを立ち上げるというのもめずらしくはない。日本にも東京以外にシリコンバレー精神を持った地方都市が出てきてもいいのではないだろうか。
本書は1996年から2000年までの記録をもとに執筆したものであるため、内容は古いかもしれない。でも、よきシリコンバレー精神を知るにはとてもよい本である。また、なつかしく読むこともできるだろう。
筑摩書房
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しょせん別世界の話ではあるんだけど…
日本はシリコンバレーに追いつけるのか?
Web3.0の予感を残しつつ
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