元サッカー日本代表のフィリップ・トルシエが語る日本サッカーの提言本です。この本では日本のアジアカップの結果を予測するような提言が書かれていました。日本対サウジアラビアの試合など、アジアカップ日本の試合を観戦してこの本から少し引用してみましょう。
1.守備の文化がない
日本のディフェンスは守るための守備というよりも攻撃のための守備だった。それはJリーグのクラブでも基本的に同じで、1点を守りきる守備を、日本のクラブはどこもしないしできない。日本のサッカーの一般的な弱点のひとつだ。
今回のアジアカップで、日本は失点しないゲームはなかった。それのほとんどがカウンターからの失点。1点先制しても守りきる力がアジアレベルでもないのだ。
2.今の日本代表は急ぐサッカーだ
オシムは選手に、運動量の質と量の両方を上げることを求めている。そのどちらも、世界のトップレベルと日本を比較したときに、日本にかけているものであるからだ。ふつのうちでは、量を増やすことは比較的簡単にできる。選手のフィジカルコンディションを上げれば、また彼らのメンタルを刺激していつもよりも頑張らせれば、運動量を増やすことはさほどではない。しかし運動の質となるとそうはいかない。質のいい動きをするためには素早い判断とそれを実現可能にする技術の高さ、動きに迷いを生じさせないための戦術的オートマティズムが求められるが、そのどれもが今の選手たちには十分でないからだ。
この本が出たのは4月ぐらいでしたが、7月のアジアカップになっても動きの質という点については改善がみられなかったと思う。今回の日本の攻撃にカウンターが少なかった。カウンターでいけるのに、ボールを回してしまう場面も多かったと思う。それに中盤の選手でパスの迷いも多かったように思う。
3.先制されたときにどうするのか
日本は攻撃の際に、ディフェンスラインでボールを回さない、今野が阿部や闘莉王にボールをあずけ、彼らが前線にフィードする。つまりディフェンスライン全体でボールを動かすのではなく、たったひとりの選手がフィードしてお終いだ。他の選手は相手をマークして、ボールを奪ったら味方に預けるだけ。そしてときどき狂ったようにオーバーラップする。(中略)自分達が先制されないかぎり効果的なやり方であり、失点しない限りシステムは機能する。相手が自分達よりも強く、試合が0対0のまま推移し、チームメートたちが献身的かつコレクディブにプレーする限りにおいて、そしてロングボールによる攻撃を続ける限りおいて日本は相手にとってとても危険な存在だ。日本の粘り強さに、相手は不安に陥るだろう。だかいったん失点を喫してしまうと、日本には自分でプレーを構築する力はない。
アジア杯でも先制されて追いつくことはあっても、逆転することはなかった。トルシエはまさにオシムの弱点を言い当ててしまった。先制されて、守備をガチガチに固められると日本は自分達で打開する策をなくしてしまう。そして、相手のカウンターにあって追加点となってしまう。まさにアジア杯のサウジアラビアとの試合がそれだった。
とはいっても、オシムジャパンの可能性はまだまだこれからである。オリンピックやU-20からもよい選手が成長してくれば南アフリカのワールドカップも期待できるだろう。今までワールドカップに出場した経験豊富な選手が若い選手をひっぱってもらいたいのだ。
アスキー (2007/05/10)
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トルシエの眼差し:日本はまだ誰かに導かれることを必要としている
トルシエはやはり明晰な人物だと思う
いにしえのトルシエ
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