最近はタイトルと内容がぜんぜん一致しない本があります。この本も「ゴールドカラーの時代」というタイトルの方がだんぜん合っていると思います。(本の内容が悪いわけではありません。)
著者は東京工業大学特任教授であり大手シンクタンクの出身です。ゴールドカラーとはホワイトカラーでもブルーカラーでもない第3の労働者です。弁護士や医師や研究者などの特定の専門家や経営者などのマネジメント層、営業マンや企画マン開発マンなど、知識社会のビジネスを支える人たちを総称するワーカー像です。と書くと一部のエリートのこと?と思うかもしれませんが、現実には知識を現実に応用する知恵を持つプロフェッショナルであるとしています。
最近よく言われるのは、知識の時代ではなく、知性(Intelligence)の時代だと言われます。そこでWikiPediaで調べてみました。
インテリジェンスは既に述べたとおり、知能やそれの働き、あるいは知能が働く上で利用する情報群などを内包した概念であるが、物を考える能力があるからといって、或いは情報が集積されているからといって、それがインテリジェンスの概念に相当する訳ではなく、その双方が揃って正しく機能することがインテリジェンスであると解される。(WikiPediaより)
なるほど、これからは情報を持っているだけではダメで、それを応用する力が求められるのです。インターネットにより知識を得るコストは下がり、上から下に情報を伝達するホワイトカラーは生き残れないということです。
私は、この本の最終章の成長エンジンという言葉が心にふれました。
「成長エンジンは、会社のビジョン、会社の戦略、そして、会社の足元の戦術を垂直統合することで生まれるパワーです。それは、会社を成長させるツボとでも呼ぶところに、会社の持てる力を集中させたときに引き出される成長パワーとでもいったらいいのでしょうか。
先ほど私は頭のいい人なら、事業特性と市場環境を分析すれば、一つの立派な解を見い出すことは簡単です。それが学校の試験問題なら”A”の評点をあげることもできるでしょう。
しかし、成長エンジンを理解し、ビジョンや戦略と目先の戦術をうまく垂直統合してパワーを発揮できる起業家は、そういないのです。」
(中略)
「それは、ある企業にとってベストな戦略が、別の企業にとってベストな戦略であるとは限らないからです。資金の当てがない企業に1000万ドルの投資が必要な戦略プランは全く意味がありません。人の思いつかないようなデザイン性を売りにする戦略プランは、そうしたデザイナーがいなければ話になりません。
しかし、さまざまな提携パートナー探しの過程で、100万ドルなら出すよという投資家が現れるかもしれません。デザイン力はあまりないけど、製品開発のスピードがものすごく速いパートナーが現れるかもしれません。
このとき、自社の戦略を現実に合わせて変えてみる。変えた戦略とその結果を見比べながら、今度は現実に働きかけるための戦術を練る。そうした戦略と戦術の双方向のやり取りを迅速に柔軟に行いながら、会社を動かしてゆける人が会社を本当に大きくできるのです。」
成長エンジンををつかめる人は、「理想家」でビジョンを示すことも必要ですが、柔軟な「現実主義者」である必要もあるのですね。
posted with amazlet on 07.08.03
鴨志田 晃
アスキー (2007/06/09)
売り上げランキング: 46913
おすすめ度の平均: 
ゴールドカラーへの道
消えるホワイトカラーとゴールドカラーの誕生
かなり面白いよ
人気記事ランキング
- 講演 王貞治さんの対談を聞きにいった
- 講演 茂木健一郎さんの講演を聴く
- TED人生を変える 【TED】サイモンシネック 優れたリーダーはどうやって行動を促すか
- エッセイ書評 打たれ強く生きる 城山 三郎
- まとめ未分類 2010年8月に読んだ本や観た映画
関連する記事:
- WebWeb2.0ビジネス検索エンジン 現在のWeb事情を表した本・・・Web2.0への道
- ビジネス書評 60分間企業ダントツ化プロジェクト 神田昌典
- その他 Xinha FireFox拡張機能
- Web書評検索エンジン 消えるサイト、生き残るサイト 宇都雅史
- その他セミナー 携帯サイト活用戦略を河口湖商工会で話してきました


