この本を例えるなら、「ユダヤ人大富豪の教え」ならぬ「ユダヤ人交渉術の教え」というべき本だろう。
著者はマーク富岡さんという方であるが、世界76カ国を周り世界中の人とビジネスをして交渉している日本人である。日系2世とかでもない。じゃ、なぜマークなのか。その話もあとがきに書いてある。
外国人との交渉というと、押しが強いという印象だ。事実、アメリカ人は特にそうらしい。マーク富岡さんも、それに負けない交渉をしていたが、ドイツに交渉に赴いたときに、ユダヤ人のマイヤー氏と交渉を行う。そこでは、マーク氏が今までに経験したことがない交渉が待っていた。
ユダヤ人のマイヤー氏は、交渉でまず相手に話をさせて、それを論理的に図にあらわしていったそうである。そして、それをひとつひとつ確認しながら、自分の意見と事実を区別しながら話していった。
そんな交渉術にマーク氏は魅せられ、交渉が終わってから食事をしながら、マイヤー氏に聞いたそうである。
「交渉の極意を教えていただきたい」
マイヤー氏は、マーク氏に一冊のノートを手渡した。
「これに私の交渉の極意が書いてある。明日のフライトまでに貸してあげよう」
マーク氏は、1日でむさぼるように読んで、メモを取ったそうである。
それがこの本のネタ元になっているらしい。
また、国別の交渉術の違いもあっておもしろい。
交渉は戦争ではない。圧倒的に勝ってもあとにしこりが残っては後のビジネスに影響が出る。
ゆずれないところはゆずる必要はないが、譲歩できるところは譲歩も必要である。それを事前に明確し、紙に書いてからマーク氏は交渉に臨むという。
日本では交渉はあうんの呼吸で行われることが多いが、これからのグローバリゼーションでは通用しないということであろう。
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