フューチャリスト宣言

あの梅田望夫さんと茂木健一郎さんの対談本。5月の発売と同時に購入して読んでいたのですが、感想を書いている時がなかったので、やっと落ち着いて書けました。この本の最後には、お二人が大学と中学校で講演した記録が書かれています。私がいくつか興味をひかれた点について、引用をまじえながら感想を述べてみたいと思います。

1.大学の講義

茂木:例えば大学の授業を音声録音して、ネットで公開するなんていうことはいかがですか。
梅田:ヌルいわけですよ。教室というその場において、1時間半、古いフォーマットで講義して、古いフォーマットで録音するわけでしょう。それを公開するというのは、公開のところだけでインターネットの可能性を使っているに過ぎない。そうでなくて、リアルタイムに、ブログとユーチューブとこれから生まれる新しいサービスも組み合わせる。「ここはしゃべろう」と思ったら音声や映像を撮ってユーチューブに上げる。という感じで、一日で教材がドーンとできるわけですよ。それを見る人はどんな時間にも勉強できる。その教材をもとに加工もできる。そうゆうことを1日三~五時間やり続けたら、きっといずれ三万人くらい見に来ると思うんですよ、僕の経験から言うと。大学で講義するエネルギーがあったら、それをやります。

これはまさしく梅田さんの通りだと思います。私も大学で講義をしていますが、ライブで1回講義をして50人から60人に伝える。欠席している学生もいるし、講義と講義の間をつなぐのも大変です。プリントなども紙で配ると、人数分コピーするなどの手間と時間もかかります。何より50人、60人いれば意欲のある学生もいるが、そうでない学生もいる。人間が強烈に知りたい、勉強したいと欲求にかられるときというのは乾いた砂漠のように水を吸収していきます。そうでなければ、いくら水を流しても流しそうめんのようにスルーするだけです。流しそうめんを流しても、きっちり食べられる人とそうでない人がいるなかで、大量にそうめんを流してもそうめんの在庫ができるだけです。

2.個人と組織の関係

茂木:僕はこれからの時代における個人と組織の関係は、所属というメタファーでなくてアフィリエイト(提携)というメタファーでとらえるべきだと思っています。そんなことをある時に思いついて、気が楽なったんですよ。日本人って所属が大事だと考えがちですが、今は個人として屹立するためのインフラがネット上にちゃんとある。昔であれば、例えば梅田さんがコンサルティング会社にいるなら、その組織をバックにものを書いていた。どこどこ会社の誰々です、と説明して初めて個人として信用してもらえる。ところがいまはURL、ブログがあればいい。ネット上のプレゼンスがその個人を支えるインフラ。それを見てもらえればどういう人かわかるから。僕はいろいろな人に「これからは、個人の信用はネットで保証すれば良い。誰が最初にそれに気づくか。それに気づいた人がこれからは輝くよ」と言っています。つまり、ある組織に所属するということで完結している人は、これからは輝かない。
梅田:同感。100%同感(笑)

これは私も100%同感!というか勇気をもらいました。私も昨年からフリーになりましたが、1社だけに自分のリソースを提供するのはもったいない気がするのです。正直、組織で作成した著作物は会社のものですし。勝手にリソースをインターネットで公表することはできない。しかし、今では判断するのは自分で。インターネット上で自分をプレゼンスすることができる。確かに自分も組織にいたら輝けないと思います。それは自分もそうだったように思うのです。今は、会社にいたときよりも楽しい。それが仕事の原動力になっています。

若い世代への期待

茂木:日本発で正解的なパラダイムシフトを確立できるものってありますかね?
梅田:これからはあると思いますね。それは若い世代からしか出ない。サイエンスとかものづくりの世界ならば、上の世代以外からは出ないでしょう。彼らは個々にみると欠点もたくさんあるんだけど、そうゆうことには目をつぶって僕は応援する。

私も若い世代に期待したいです。やはり、ネットは若者が作る創造や文化によって発展すると思います。日本のエスタブリッシュメントな組織がついていけるものではなくなったような気がします。これからはネットネイティブが日本の原動力を支えてもらいたい。ぼくも、その精神を育ててあげたいと思っています。精神を育てると言うとおこがましいのですが、その風土を作る、若い芽を見守ることだと思っています。

フューチャリスト宣言

フューチャリスト宣言

posted with amazlet on 07.07.28

梅田 望夫 茂木 健一郎
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おすすめ度の平均: 4.0

3 茂木氏はかなりくせがありますが、面白いです
4 ちくま新書っぽいつくり。
5 本当に良い本

オシムジャパンよ!

元サッカー日本代表のフィリップ・トルシエが語る日本サッカーの提言本です。この本では日本のアジアカップの結果を予測するような提言が書かれていました。日本対サウジアラビアの試合など、アジアカップ日本の試合を観戦してこの本から少し引用してみましょう。

1.守備の文化がない

日本のディフェンスは守るための守備というよりも攻撃のための守備だった。それはJリーグのクラブでも基本的に同じで、1点を守りきる守備を、日本のクラブはどこもしないしできない。日本のサッカーの一般的な弱点のひとつだ。

今回のアジアカップで、日本は失点しないゲームはなかった。それのほとんどがカウンターからの失点。1点先制しても守りきる力がアジアレベルでもないのだ。

2.今の日本代表は急ぐサッカーだ

オシムは選手に、運動量の質と量の両方を上げることを求めている。そのどちらも、世界のトップレベルと日本を比較したときに、日本にかけているものであるからだ。ふつのうちでは、量を増やすことは比較的簡単にできる。選手のフィジカルコンディションを上げれば、また彼らのメンタルを刺激していつもよりも頑張らせれば、運動量を増やすことはさほどではない。しかし運動の質となるとそうはいかない。質のいい動きをするためには素早い判断とそれを実現可能にする技術の高さ、動きに迷いを生じさせないための戦術的オートマティズムが求められるが、そのどれもが今の選手たちには十分でないからだ。

この本が出たのは4月ぐらいでしたが、7月のアジアカップになっても動きの質という点については改善がみられなかったと思う。今回の日本の攻撃にカウンターが少なかった。カウンターでいけるのに、ボールを回してしまう場面も多かったと思う。それに中盤の選手でパスの迷いも多かったように思う。

3.先制されたときにどうするのか

日本は攻撃の際に、ディフェンスラインでボールを回さない、今野が阿部や闘莉王にボールをあずけ、彼らが前線にフィードする。つまりディフェンスライン全体でボールを動かすのではなく、たったひとりの選手がフィードしてお終いだ。他の選手は相手をマークして、ボールを奪ったら味方に預けるだけ。そしてときどき狂ったようにオーバーラップする。(中略)自分達が先制されないかぎり効果的なやり方であり、失点しない限りシステムは機能する。相手が自分達よりも強く、試合が0対0のまま推移し、チームメートたちが献身的かつコレクディブにプレーする限りにおいて、そしてロングボールによる攻撃を続ける限りおいて日本は相手にとってとても危険な存在だ。日本の粘り強さに、相手は不安に陥るだろう。だかいったん失点を喫してしまうと、日本には自分でプレーを構築する力はない。

アジア杯でも先制されて追いつくことはあっても、逆転することはなかった。トルシエはまさにオシムの弱点を言い当ててしまった。先制されて、守備をガチガチに固められると日本は自分達で打開する策をなくしてしまう。そして、相手のカウンターにあって追加点となってしまう。まさにアジア杯のサウジアラビアとの試合がそれだった。

とはいっても、オシムジャパンの可能性はまだまだこれからである。オリンピックやU-20からもよい選手が成長してくれば南アフリカのワールドカップも期待できるだろう。今までワールドカップに出場した経験豊富な選手が若い選手をひっぱってもらいたいのだ。

オシムジャパンよ! 日本サッカーへの提言
フィリップ・トルシエ
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おすすめ度の平均: 4.5

5 トルシエの眼差し:日本はまだ誰かに導かれることを必要としている
5 トルシエはやはり明晰な人物だと思う
4 いにしえのトルシエ

GoogleAnalyticsを知らずしてアクセスを語るなかれ

最近はGoogleAnalyticsの解析を見るのが日課になってしまった。自分の体の摂生は日々できていないが、GoogleAnalyticsの結果は日々チェックしてしまう。はっきり言ってこれはすごい。これが無料?下手なプロバイダの有料解析がアホくさくなるようなできばえですよ。ネットショップを運営している人なら設置して損はない。損はないどころか大きな宝の山になるはず。

しかし、設置しただけでは見方がわからないと思う。セッション、ユニークユーザ数、ページビューなどの用語を正しく理解せねば。これは有効なツールだが利用する人の使い手を選ぶツールだ。立派なバイオリンも下手な人が引くとひどい音色だが、プロが引けばすばらしい音色になる。

ここでは、GoogleAnalyticsで使用されている用語について解説してみよう。

  • セッション数
  • 訪問者がサイトに入ってから、出て行くまでを1とカウントする。1回の訪問で何ページ見てもセッションは1とカウントされる。

  • ページビュー数
  • 同じ訪問者が何度同じページを見ても、そのたびにカウントされる。

  • ユニークユーザー数
  • サイトを訪問した重複しないユーザ数。同じ訪問者が何度同じページを見ても、ユニークユーザー数は1である。

  • サイト滞在時間
  • サイトに入ってから、出て行くまでの時間

  • 直帰率
  • 1ページだけ見て、サイトを去ってしまった人の割合。低い方がよい

  • 離脱率
  • そのページを最後にサイトから去った人の割合。低い方がよいが、高くても悪いとはかぎらない

さて、「できるGoogleAnalytics」のコラムに書かれていましたが、 なぜGoogleはこのような無料のツールを提供しているのでしょうか?実際にGoogleに取材したらしいのですが、Googleの回答は

よいサイトを増やしたいから!

たったそれだけの回答でした。でもその矜持に心打たれてしまうのであった。GoogleAnalyticsに乾杯!(完敗)

できる100ワザ Google Analytics SEO & SEM を極めるアクセス解析ノウハウ
大内 範行 できるシリーズ編集部
インプレスジャパン (2007/07/19)
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