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思考の整理学
思考の整理学 外山滋比古
- 2009-12-16 (水)
- 書評
グライダーというタイトルから始まるこの本は、知的創造についてのヒントになる本である。グライダーとは、ひも付きで引っ張ってもらい飛行することである。外山さんは学校ではいつまでもグライダーの教育が続いているとなげいておられる。
それはまったくそのとおりで、一人で飛べる飛行機になる教育というものはここずっと行われてこなかった。この本の初版が1986年だから、現代まで進歩があったかというと進歩という進歩がそれほどなかったような気がする。
コンピュータが全盛となった現代では、情報の相対的価値も薄れてしまう。コピーペーストのように情報を右から左に流しても何の価値も生み出さなくなった。
それと比例するように知識欲というものも低下してきているように思う。わからない用語や内容があっても調べようともしない。情報がコピーペーストできるから別に知らなくてもいいのかと思うのであろうか。でも、無知やはり罪である。自分がいつしか罪深い人になってしまうかと思うと知らないではすまされない場面は多い。
この本で私が参考になったのは情報のメタ化である。
この本から引用すれば
「○○山は南側の斜面が砂走になっている」 → 第一時情報である
「この地方の山は△△火山帯に属している」 → 第二次情報である
さらにこれをもとに抽象化をすすめれば、第三次情報ができる。メタ・メタ情報である。
一次情報をその次元にとどめておいたのでは、いつまでたっても、たんなる思いつきである。整理、抽象化を高めることによって、高度の思考となる。普遍性も大きくなる。一次情報を垂れ流しても、新聞やニュースと同等です。第二次情報でも誰もがちょっと調べればわかることも価値が無い。第三次情報までいかに高められるかがこの知識社会を生き抜く方法かもしれない。しかし、三次情報と思考を整理していくのは時間がかかる。寝かせて、化学変化が起こるのを待つ。きっと、それがみんなできないのだろう。だから価値がある。
ブライアン・トレーシーも言っていた。この世でもっとも稼げる人は思考する人だと。
でも現代はその思考ができる環境ではないような気がする。時間貯蓄銀行の灰色の人はいっぱいいるからね。
いかに思考できる環境を持った人が、これからのリーダーなんだろう。
筑摩書房
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