そこのあーた、ねぇねぇ、もっとゆる~くいかない?ビバ、リラックス!!

3つの原理 ローレンス・トーブ その2

3つの原理の考察、その1からの続きです。

・「労働者の時代」になぜ儒教圏がNo.1になるのか?

商人カーストの世界で求められるのは「徹底した個人主義者」である。商人カーストの時代は、あれやこれやと策略をめぐらせて腕を振るう商人の生き方が適していた。積極的に売り買いをして、個人的な利益、資産、財産をできるかぎり蓄積するというのが商人の時代の気風である。

それに対して労働者カーストの世界で求められるのは、他者とのつながり、団結、協力、チームワーク、他者への配慮を重視する。環境に順応し、集団意識が強く、安全確実で安定的な生活を望む傾向がある。そのためには企業、社会への風土や理念が共有されなければならない。日本はその条件に最も適している。労働者の時代に日本は頂点に立ったということになるだろう。

商人の時代は、ビジネスは単純であり、経営や組織も原始的だった。いわゆるこの時代にはGMやフォード等の組織も複雑ではなかった。しかし、労働者の時代には、ビジネスと市場は次第に複雑化し、大企業は多国籍企業になるまでビジネスを発展させた。そうなると、企業家個人では経営を維持できない。そこで、経営を経営の専門家(労働者カースト)に任せるしかない。これをこの本では「ビューロ・テクノストラクチャー」と呼んでいる。
労働者の時代に活躍するのは、技術系出身の専門家(テクノクラート)と事務管理系出身の専門家(ビューロクラート)なので、ローレンス・トーブはそう名づけた。

よくも悪くも「商人の時代」の頂点はアメリカであり、個人主義である。そして、現在は「労働者の時代」の頂点に立っているのが日本である。そして、その後は朝鮮、中国、ASEANなどが追ってきている。

・共産主義は崩壊したのか?

ローレンス・トーブは、ロシアなどの共産主義は単純で原始的であったと言っている。ロシア、中国、ヴェトナム、キューバ等の国では、革命以前はまだ「戦士の時代」であり、「商人の時代」にも至っていなかった。これらの共産圏は豊かな経済を生み出すことはなかったが、重工業や軍需産業が増大し、資本主義国と張り合うまでになった。なぜ共産主義が一時期成功に見えたのか。このときは労働者の時代が単純であり、ただ仕事をこなすだけという官僚にも管理できる原始的なものだったからだという。

時代が流れ、ビジネスは複雑化し、製品はハイテク化した。そして、より複雑化した組織が必要になったのである。つまり、共産圏の官僚はシステムを維持できなったわけである。そうなるとシステムを運営できる者に任せる必要が出てきた。それが、「ビューロ・テクノストラクチャー」だ。チームワーク意識が高い者で、労働者カーストを先導するものである。
資本主義と共産主義のシステムは、労働者カーストの傾向を強め、互いに似通ってきたのである。例えば、中国は鄧小平の主導のもとに「改革開放」を進めた。そして、現在の中国がある。そして、ロシアはゴルバチョフのもと「ペレストロイカ」を進めた。そして、現在のロシアの発展がある。

経済が発展するにつれて、複雑化し洗練されていくにつれて、二つの正反対のシステムは、日本、やがては儒教圏ブロックが主導する労働者カースト最盛期の資本主義に統合されるであろう。

・資本主義に民主主義と自由はつきものなのか?

日本は「労働者の時代」の頂点に立っている。しかし、もう2つのモデル「年齢モデル」と「性モデル」からみると遅れている。「年齢モデル」からみると、ヨーロッパやアメリカは19歳以上であるが、日本は、中国、韓国は12歳から15歳である。「年齢モデル」や「性モデル」で遅れている国はブロックでは「カーストモデル」では先行するというのが一般法則らしい。

そして、民主主義と自由は必要なのか?という疑問については結論から言えば、正しくもあり間違いでもあるということである。商人の時代の前は戦士の時代である。戦士の時代には階級制度や出自を重んじる。この社会を転換させたのが自由民主義的な商人の時代である。そして、商人の時代が発展すると共に自由民主主義も発展してきた。
そして、アメリカやヨーロッパなどの商人の時代が隆盛を迎えると、それに対して中国やASEANなどは独裁的資本主義を採用するようになった。独裁的資本主義は、個人の上に社会を置く独裁システムとなっている。これはアメリカなどの社会的混迷、暴力的性犯罪、麻薬、失業、政治腐敗、社会不況を招くアンチテーゼとして採用された。少なくとも国が巣立ちできるまではという独裁的資本主義システムである。つまり、自由民主主義が必要かどうかは、その国がどのカースト時代にあるのかということである。民主主義や自由が必要となるのは「商人の時代」である。まだ発展したばかりの国では、足かせになるだけである。

・最後のカースト「精神・宗教の時代2」とは?

労働者の時代から次に来るのが「精神・宗教の時代2」である。それも、開拓段階は終わり、革命・発展段階に入っているという。この精神・宗教で重要視されるのは宗教と精神そのものである。
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成熟した宗教は、内なる神という概念にもとづいている。自らを知り、内なる声に耳を傾けて、個々人に与えられた「終生の使命」を果すために、いかに行動し、いかに生きるべきかを見出すこと。これが私たちの目指す目標となるだろう。この成熟した宗教は、両性格な性格もある。母なる大地とか、天にまします神といった親に代表される権威像を求めず、個々人自身のなかにある両性的な内なる自己に目を向けるのだ。
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日本は「労働者の時代」から静かに「精神・宗教の時代」に移りつつある。ビジネスマンは、仕事への自己犠牲に注ぐエネルギーは減少傾向になりつつある。そして、男性にも子供の世話や家事を求め、女性は企業や社会と関わりを持つようになっていった。
日本でも新宗教や精神的グループ、などの新しい潮流が現れている。最近、個人的に思うのは経営者は以外に信心深い人が多いということである。
日本でもスピリチュアルブームやザ・シークレットがベストセラーになるのも、その影響であろう。

ローレンス・トーブの世界観は、現在放映中のガンダム00(密かに見てる)に近いのではないかと思う。(違う部分も多いが)
ちなみにガンダム00の世界は、24世紀の時点で世界がアメリカなどを中心としたユニオン、中国やロシアを中心とした人類革新連盟、ヨーロッパを中心としたAEUというブロックに別れてる。石油資源は枯渇して、すべてが太陽光発電となり地球から宇宙へ軌道エレベーターを建設している。そのためアラブ諸国は影響力が低下。世界は、3つの勢力+その他発展途上国と棲み分けができており、民族紛争やテロリズムも未だ耐えていない。
そして、戦いの世界で「武力による戦争の根絶」を掲げる私設武装組織が現れる。モビルスーツ「ガンダム」を所有するソレスタルビーイング。

ガンダムによる武力介入によって戦争を止めることをはじめる。はたして、「武力に戦争は止められるのか?」というすごいテーマである。まさに人類のためのアニメーションですな。富野さん(原作者)もある意味すごい未来予測者なのか?

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